10月31日 <「私は貝になりたい」放映(1958年=昭和33)>

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1958年(昭和33)のこの日、橋本忍脚本、岡本愛彦演出、フランキー堺・桜むつ子・佐分利信出演のTVドラマ「私は貝になりたい」が、東京放送「サンヨーテレビ劇場」で放送され、空前の反響を呼びました。

これは昭和時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。

これは2分程度で読める記事です。
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1.解説

 

2008年(平成20)に東宝より配給された、中居正広・仲間由紀恵出演の同名映画によってストーリーをご存知の方も多いと思われます「私は貝になりたい」のオリジナル版が、1958年(昭和33)の今日、「サンヨーテレビ劇場」で放送されました。

 

この「私は貝になりたい」は、元陸軍中尉であった加藤哲太郎氏のの巣鴨獄中手記「狂える戦犯死刑囚」の遺言部分をもとに、脚本家の橋本忍が創作した話で、あらすじは以下の様なものです。

 

 

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第二次世界大戦中のこと、高知県で理髪業を営んでいた清水豊松(しみず とよまつ)に、ある日赤紙が届き、応召するのです。

豊松は内地の部隊に所属していました。ある日、撃墜された米軍の爆撃機B29の搭乗員が裏山に降下し、司令官の「搭乗員を確保、適当な処分をせよ」という命令に基づく山中探索の結果、虫の息であった搭乗員を発見します。

そこで豊松は、上官から搭乗員にとどめを刺すように命じられたのですが、実際には怪我をさせただけに終わってしまいます。

終戦後、除隊した豊松は帰郷して、再び理髪業に精を出すのでしたが、ある日、特殊警察がやってきて「捕虜を殺害したという戦争犯罪者(BC級戦犯)」として逮捕されてしまいます。豊松は極刑の宣告を受けて巣鴨の処刑台に消えるのでした。

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このお人好しの悲劇の主人公をフランキー堺、希望を捨てず助命嘆願をする豊松の妻を桜むつ子が演じ、放送当時は空前の反響を呼んだそうです。そうしたこともあり、この作品はその後何度も映像化されています。現時点での視聴可否も確認しました。

1958年(昭和33):テレビドラマ化(今日ご紹介したもの)→TBSオンデマンドで購入可能。

私は貝になりたい(1958年版)【TBSオンデマンド】

1959年(昭和34):映画化(豊松…フランキー堺、妻…新珠三千代)→AmazonでDVD購入可能。

私は貝になりたい <1958年TVドラマ作品> [DVD]

1994年(平成6):テレビドラマ化)(豊松…所ジョージ、妻…田中美佐子)→入手不可

2008年(平成20):映画化(豊松…中居正広、妻…仲間由紀恵)→AmazonでDVD購入可能。

私は貝になりたい スタンダード・エディション [DVD]

 

反戦色を色濃くにじませては居なかったものの、その意志はじんわりと浸透し、戦争の意味を改めて問い直した作品と評して良いと思います。2008年版は、どちらかというと中居正広と仲間由紀恵との演じる夫婦が支え合うところに重きを置いたがゆえに、反戦のメッセージとしては少し弱くなっていると感じました。この2008年版では橋本忍が脚本をリメイクしているそうで、その点で路線変更があったのかもしれませんね。

ともかく、敗戦国というものは、様々な理不尽な扱いを受けるのだな、というのは紛れもない事だと思います

 

 

<追記>

それと、あらすじの上に書いた「元陸軍中尉であった加藤哲太郎氏のの巣鴨獄中手記「狂える戦犯死刑囚」の遺言部分をもとに…」という事に関しては裁判で争われた事があります。当初のテレビドラマ放送後、その手記を書いた加藤哲太郎氏がドラマの製作元のラジオ東京テレビと橋本忍とを著作権法違反で告訴し、原告が勝訴しています。そうした経緯もあり、現在では原作者として「加藤哲太郎」の名が記載される様になっています。

この加藤哲太郎氏の著書「私は貝になりたいーあるBC級戦犯の叫び」は今でもAmazonで入手可能です。以下にリンクを貼り付けておきます。


私は貝になりたい―あるBC級戦犯の叫び

ドラマの原作に関わる部分は、269ページある書籍の中のほんの一部です。

 

2.他の年、この日の記事

他の年には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。

今日はここまでです。

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