1987年(昭和62)のこの日、安田火災がロンドンで行われたオークションで、ゴッホの「ひまわり」を53億円で落札しました。
これは昭和時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。
これは2分程度で読める記事です。
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1.解説
いつも風邪をひいている絵かきは誰?
「ゴッホゴッホ」
なぁんて、そんな話ではありません。
1987年(昭和62)のこの日、イギリスのロンドンで行われたクリスティーズ主催のオークションで、目玉として出品されたゴッホの「ひまわり」を、日本の損害保険会社である安田火災海上保険株式会社が3992万1750ドル(約53億円)で落札しました。
オークションなので、落札価格の約53億円に加え、オークション手数料、それと保険料なども必要なので、それも合わせると約58億円という1枚の絵画の価格としては過去に例を見ないほど高額での取引は評判になりました。
落札された「ひまわり」は、同年7月20日に成田に到着し、東京・新宿にある安田火災ビルの42階にある東郷青児美術館で、10月13日から一般に公開されています。
それまで、年間で3万人程度であった同美術館の来館者数は、この「ひまわり」の一般公開がスタートしてわずか半月で3万5,000人を超え、高額なゴッホをひと目見ようと多くの人が足を運びました。その活況は一過性のものではなく、87年に24万人、88年に21万人と名画の効果は効き目抜群だったみたいです。
ところで、ゴッホはこのひまわりをしばしば絵の題材として用いています。「花瓶に挿された複数本の向日葵」を題材にしたという定義で、7点が制作され、6点が現存しているとされています。その他にもひまわりをモチーフにした絵画も存在しています。
安田火災が購入したのは、5番目に書かれたもので1888年12月〜1889年1月の制作のもので、15本のひまわりが描かれています(画像は例の如くWikipediaからの無断借用です。画像または下の青文字からWikipediaの大きな画像が確認出来るようになっています)。1m×76cm(縦×横)ほどある存在感のある絵ですよ。
当時の日本は、バブルということもあり景気も良く、高価な絵画を購入した会社は他にもありましたが、バブル崩壊後の景気後退期にそれを売却する事例も多く見られました。ところが、この「ひまわり」は現在もなお東郷青児美術館に所蔵されています。一企業として文化を支えるための心意気を示している様で立派だと思います。
書き忘れていました。この「ひまわり」を購入した安田火災海上保険株式会社は、その後、2002年(平成14)7月に日産火災と合併して株式会社損害保険ジャパンとなり、さらに、同年12月に大成火災を吸収、そして2014年(平成26)9月には、日本興亜損害保険と合併し、損害保険ジャパン日本興亜となり現在に至っています。
2.他の年、この日の記事
他の年のこの日には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。
今日はここまでです。
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