5月31日 <義和団事件で護衛兵出動(1900年=明治33)>

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1900年(明治33)のこの日、勢力を増しつつ在った義和団への対応のため、日・英・米など3ヶ国の士官と水兵ら423名が北京に入りました。

これは明治時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。

これは2分程度で読める記事です。
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1.解説

 

19世紀末期、日本がようやく近代国家を形成したころ、欧米の先進資本主義諸国は早くも帝国主義段階に突入しようとしていました。

 

帝国主義の言葉の意味です。

帝国主義(ていこくしゅぎ、英語: imperialism)とは、一つの国家が、自国の民族主義、文化、宗教、経済体系などを拡大するため、あるいは新たな領土や天然資源などを獲得するために、軍事力を背景に他の民族や国家を積極的に侵略し、さらにそれを推し進めようとする思想や政策。

(Wikipedia「帝国主義」から引用)

諸列強は販路を海外に広げ、また直接に資本を輸出して利益を収めるためにこぞって積極的な対外進出政策をとり、植民地獲得を競い合いましたが、その矛先はアジア・アフリカなどの発展途上諸地域に向けられていました。

 

アジアの大国であった清国が日清戦争に敗れて弱体ぶりを暴露すると、列強の目は一斉に清国に注がれることになりました。

ドイツが宣教師殺害事件をきっかけに、1898年に山東半島の膠州湾(こうしゅうわん)を租借すると、続いてロシアが、三国干渉によって日本が清国に返還した遼東半島の旅順・大連などを、イギリスが威海衛(いかいえい)・九竜半島を、フランスは広州湾をそれぞれ租借し、アメリカも1899年、国務長官ジョン・ヘイが清国に対する門戸開放・機会均等・領土保全を宣言して、列強の清国進出に割り 込む姿勢を示しました。

列強はこれらの租借地を根拠地として鉄道敷設権や鉱山採掘権などを得て、清国での権益を拡大していきました。

 

このような列強の進出に対抗して、清国内には光緒帝(こうしょてい)のもとで康有為(こうゆうい)・梁啓超(りょうけいちょう)らを中心に、明治維新以来の日本の改革ならって立憲政治を取り入れて国内の改革をはかり、国力を充実しようとする動き(変法自強の運動)がおこりましたが、1898年、西太后(せいたいごう)ら保守派のクーデタによって変法派は一掃され、その多くは日本などの海外に亡命を余儀なくされ、改革は挫折してしまいました(戊戌の政変。ぼじゅつのせいへん)。

 

こうした情勢のさなかに、民衆の間に外国人排斥気運が高まり、山東省では義和団(ぎわだん)を中心に「扶清滅洋(ふしんめつよう)」を叫ぶ排外運動が起こりました。

 

清国政府が、この秘密結社による宗教的な反西洋運動を寧ろ煽り立てたので、義和団は、広範な民衆の支持を集めるとともに、その運動は華北一帯に広がり、各地でキリスト教会が襲われ、外国人宣教師が殺されたり、鉄道が破壊されたりしました。

 

北京に迫り、天津を占領するにいたった義和団に備えるため、各国公使団は大沽(たーくー)沖に停泊中の各国軍艦に兵の派遣を求め、1900年(明治33)5月31日、日・英・米などの士官と水兵ら423名が護衛兵として北京に入りました。

 

しかし、義和団の勢いは衰えず、1900年には、北京でドイツ公使や日本の公使館書記生が殺害され、列国公使館が清国兵や民衆に包囲されました。清国は列国に宣戦を布告しました。日本は米・英・ 露・仏などの諸国とともに軍隊を派遣し、義和団の乱を鎮圧して外交官や居留民を救出しました。

 

翌1901年、北京議定書が調印され、清国は列国にばく大な賠償金を支払い、北京などに列国の守備兵をおくことを認めました。

 

これが北清事変(義和団事件)と呼ばれる出来事です。

 

ところが、ロシアは北清事変が収まったのちも十数万人の大軍を満州にとどめ、事実上、満州を軍事占領し、さらに清国と露清密約を結んで南下する気配を示しました。このため韓国を勢力下におこうとした日本は、韓国問題と満州問題をめぐって正面からロシアと対立するにいたったのでした。

 

2.他の年、この日の記事

他の年には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。

今日はここまでです。

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