879年(元慶3)のこの日、六国史の一つ「日本文徳天皇実録」が完成し奏上されました。
これは平安時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。
これは2分程度で読める記事です。
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1.解説
奈良時代に始まった律令国家により歴史編纂は、平安時代の半ばまで行われ、あわせて6つの正史が作られました。これらを総称して「六国史」と言います。
それは以下の6つです。
書名 | 完成年 | 巻数 | 収載の歴代・年代 | 撰者 | 備考 |
日本書紀 | 720年(養老4) | 30巻 | 神代〜持統 (〜697年・持統11) |
舎人親王 | 別に系図 1巻欠け |
続日本紀 | 797年(延暦16) | 40巻 | 文武〜桓武 (697・文武元〜791・延暦10) |
菅野真道 藤原継縄など |
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日本後紀 | 840年(承和7) | 40巻 | 桓武〜淳和 (732・延暦11〜833・天長10) |
藤原冬嗣 藤原緒嗣など |
巻5など10巻のみ現存 |
続日本後紀 | 869年(貞観11) | 20巻 | 仁明 (833・天長10〜850・嘉祥3) |
藤原良房 春澄善縄 |
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日本文徳天皇実録 | 879年(元慶3) | 10巻 | 文徳 (850・嘉祥3〜858・天安2) |
藤原基経 菅原是善 島田良臣 |
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日本三代実録 | 901年(延喜元) | 50巻 | 清和〜光孝 (858・天安2〜887・仁和3) |
藤原時平 大蔵善行 |
この「六国史」によって神代から887年(仁和3)までの国家の発展、政治情勢の推移など、歴史の大勢を知る事が出来ます。中国の史書にならった漢文の史書で、編年体の叙述形式を採っていますが、臣下の薨卒(こうそつ)伝には個人の詳しい伝記を載せて紀伝体の特色も取り入れられています。十分な史料批判が必要ではありますが、古代史研究の最も根本的な史料として位置づけられています。
本日の記事の「日本文徳天皇実録」は「文徳実録」とも呼ばれます。上の表にも書きましたが、「続日本後紀」に続く5番目の勅撰の10巻からなる正史です。850年(嘉祥3)から858年(天安2)8月までの文徳天皇一代が漢文編年体で記されています。
871年(貞観13)に清和天皇の命により藤原基経らが編纂を開始しましたが、数年にして一時中止してしまいます。878年(元慶2)陽成天皇の命で編纂事業を再開し、翌879年(元慶3)のこの日、基経らによって完成、奏上されました。
政治や法制に関する記事が少ない一方、人物の伝記記事が豊富である、という特徴があります。
2.他の年、この日の記事
他の年には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。
今日はここまでです。
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