5月5日 <普通選挙法公布(1925年=大正14)>

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1925年(大正14)のこの日、同年3月29日に第50回帝国議会で成立していた普通選挙法が公布されました。

これは大正時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。

これは2分程度で読める記事です。
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1.解説

 

第一次世界大戦後、さまざまな立場からの社会運動に共通の政治的要求となったのは普通選挙の実現(納税額による選挙権の制限撤廃・男性のみ)でした。

 

1889年(明治22)に大日本帝国憲法及び衆議院議員選挙法が公布された際は、選挙権者は

「直接国税(地租・所得税など)を15円以上納める満25歳以上の男子(被選挙権は30歳)に限る」

という、かなり高い納税額による制限選挙でした。1890年(明治23)の第1回総選挙の際の有権者はわずかに45万人余りで、全人口4,000万人の1.1%強でしかありませんでした。それは概ね、2〜3ha以上の田畑を有する中程度の地主や豪農たちといった有権者像でした。

 

こうした制限を撤廃しようとする普選運動は1890年代後半から続けられており、明治末期には、衆議院で普通選挙案が多数の支持を得たこともありましたが、貴族院の反対で成立しませんでした。

 

その後、一旦衰えた普選運動でしたが、第一次世界大戦直後の民主主義的風潮の高まりのなかで、1919年(大正8)頃から、都市を中心とする民衆運動として大きな盛り上がりを見せました。知識人グループや労働組合に加え、1920年(大正9)になると、野党であった憲政会・立憲国民党が正式に普通選挙の実現を綱領の中に掲げる様になりました。

しかし、1920年(大正9)の総選挙で、原内閣の母体である立憲政友会が大勝して衆議院で過半数を制し、野党勢力は後退を余儀なくされました。そして、原内閣と立憲政友会とは、普通選挙を実施するのは時期尚早であるとする立場に立ち、野党側の提出した普選案は、その後の衆議院で尽く否決されてしまったのでした。

 

1923年(大正12)9月に成立した第2次山本内閣は、関東大震災の救援活動と復興計画とに全力を注ぐとともに、普通選挙実現のため選挙法改正を意図しましたが、同年12月の虎ノ門事件によって退陣したため、またもや普選実現は立ち消えとなりました。

1924年(大正13)1月、清浦奎吾が貴族院・官僚勢力を基礎に内閣を組織しましたが、立憲政友会・憲政会・革新倶楽部(立憲国民党の後身)は、清浦内閣を立憲政治に背を向けた特権階級による超然内閣とみなして護憲三派を結成し、世論の支持を後ろ盾に貴族院改革・行政整理・政党内閣の実現などを叫び、清浦内閣打倒を目指す第二次護憲運動を展開しました。

立憲政友会に中の清浦支持派は脱党して政友本党を結成しましたが1924年(大正13)5月の総選挙で護憲三派が圧倒的な勝利をおさめました。その結果、同年6月に清浦内閣は総辞職し、第一党となった憲政会総裁の加藤高明が首相となり、護憲三派を与党とする内閣を組織しました。

 

立憲政友会も選挙結果を受けて普選賛成にまわり、そして1925年(大正14)3月、加藤高明内閣のもとで普通選挙案を盛り込んだ衆議院議員選挙法改正案(いわゆる普通選挙法案)が両院を通過、成立しました、遂に!

この選挙法では、原則として満25歳の男性に衆議院の選挙権が、満30歳以上の男性に被選挙権が与えられ、納税額の制限は撤廃されたのでした。即ち、この段階では女性には選挙権も被選挙権もありませんでした。その他に、破産者、貧困により扶助を受けている者、住居のない者、6年以上の懲役・禁錮に処せられた者、華族当主、現役軍人、応召軍人は除外されていました。

 

そして1925年(大正14)のこの日、この普通選挙方法が公布されたのでした。この日、普選実現を祝って、上野の精養軒で普選実施大祝賀会が開催されたそうです。

この1925年(大正14)の法改正により、有権者総数はそれまでの4倍以上の約1,241万人(全人口比20.8%)となりました。しかし、女性の参政権は認められませんでした。女性を含めた真の普通選挙実現は第2次世界大戦後まで待たねばなりませんでした。

 

2.他の年、この日の記事

他の年には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。

今日はここまでです。

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