1968年(昭和43)のこの日、ノーベル文学賞が川端康成に授与されることが決まりました。
これは昭和時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。
これは2分程度で読める記事です。
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1.解説
今年もノーベル賞の受賞者が次々と発表され、嬉しいことに日本人も中に含まれています。村上春樹氏はチョト厳しくなってきた感じがします。
以下に、今までにノーベル賞を受賞した日本人25名をリストアップしました。物理学賞・化学賞が多いですねぇ。
受賞年 :氏名 :部門
1949年(昭和24):湯川秀樹 :物理学賞
1965年( 40):朝永振一郎:物理学賞
1968年( 43):川端康成 :文学賞
1973年( 48):江崎玲於奈:物理学賞
1974年( 49):佐藤栄作 :平和賞
1981年( 56):福井謙一 :化学賞
1987年( 62):利根川進 :医学生理学賞
1994年(平成6):大江健三郎:文学賞
2000年( 12):白川英樹 :化学賞
2001年( 13):野依良治 :化学賞
2002年( 14):小柴昌俊 :物理学賞
2002年( 14):田中耕一 :化学賞
2008年( 20):南部陽一郎:物理学賞
2008年( 20):小林誠 :物理学賞
2008年( 20):益川敏英 :物理学賞
2008年( 20):下村脩 :化学賞
2010年( 22):鈴木章 :化学賞
2010年( 22):根岸英一 :化学賞
2012年( 24):山中伸弥 :生理学・医学賞
2014年( 26):赤崎勇 :物理学賞
2014年( 26):天野浩 :物理学賞
2014年( 26):中村修二 :物理学賞
2015年( 27):梶田隆章 :物理学賞
2015年( 27):大村智 :生理学・医学賞
2016年( 28):大隅良典 :生理学・医学賞
2017年( 29):石黒一雄 :文学賞(国籍はイギリス)
2018年( 30):本庶佑 :医学生理学賞
さて、今日は、上のリストの3番目の川端康成の話です。
スウェーデンの化学者で、ダイナマイトの発明者アルフレッド・ノーベルの遺言に従って、その遺産を基金にしたノーベル賞は、世界でもっとも権威のある賞です。1968年(昭和43)の今日、その文学賞が川端康成に授与されることが決まりました。
文学賞は、スウェーデン・フランス・スペインの3アカデミーが選考にあたりますが、川端康成の受賞理由として
「日本人の心の精髄を、すぐれた感受性をもって表現するその叙述の巧みさ」
を挙げたほか、スウェーデンのエステルリンク博士は次の様にも述べています。
「川端氏は東洋と西洋との精神的な架け橋造りに貢献した」
川端康成の受賞に際してのコメントは次の様なものです。
「第一のおかげは日本の伝統を作品に書いたから。第二のおかげは各国の翻訳者がよかったから。日本語で審査してもらったらもっとよかった。第三のかげは三島由紀夫君。昨年候補にのぼりながら、若すぎるからとダメいなり、おはちがまわってきた。」
「受賞は大変名誉なことですが、作家にとっては名誉などというものは、かえって重荷になり、邪魔にさえなって、萎縮してしまうんではないかと思ってます。」
(引用元:1968年10月18日付朝日新聞)
と川端康成は語ったものの、日本ペンクラブの会長を長らく務め、1957年(昭和32)に東京で国際ペン大会を開催、1958年(昭和33)に国際ペンクラブ副会長に推されるなど、先のエステルリンク博士の言われた様に、国際貢献活動も高く評価されたのでしょう。
ノーベル賞作家となった川端康成ですが受賞から3年半後の1972年4月16日、神奈川県逗子市の仕事部屋として使っていたマンションで自らガス中毒で世を去りました。72歳でした。
2.他の年、この日の記事
他の年には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。
今日はここまでです。
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