5月30日 <警視庁、上野の闇市を手入れ(1946年=昭和21)>

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1946年(昭和21)のこの日、警視庁は上野の闇市(アメ横)で手入れを行い、売買されている禁制品を強制押収しました。

これは昭和時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。

これは2分程度で読める記事です。
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1.解説

 

第2次世界大戦後、わが国では空襲による戦災、軍需産業の崩壊などにより経済機能が麻痺していました。

 

そうしたなか、軍人の復員、海外居留民の引揚げにより人口は急増しました。そして米の記録的な凶作もあって、生活物資は極度に不足したのです。

 

海外から復員すべき軍人は約310万人と見積もられ、軍需工場の労働者が約400万人、引揚げ者が約320万人、そのほかを加えると、失業者は全体で約1,400万人にのぼるとみられていました。

 

そのうえ、人々は農村へ買い出しに出かけ、各地に闇市が生まれ、悪性のインフレが進行していました。 それに加えて、戦争終結とともに、臨時軍事費での支払い分が決済されたことや預貯金引き出しによる換物行動が激化したことなどのために、市場への通貨供給量が急増し、1945年(昭和20)11月から、生活物資を中心とする物価が急速に上昇し始めていました。

 

闇市というのはヤミ市とも呼ばれ、第2次世界大戦後に生まれた露天形式などの自由取引市場のことを言います。

上述したように敗戦後、公的流通機構が戦災・人口増加・米の凶作などにより機能不全に陥ると、雑貨・食料・衣類・米軍からの横流し品などを売買・交換する自由市場が、全国主要都市駅前の焼け跡などにぞくぞく出現し、1940年台後半の都市庶民生活を支えました。

 

1946年(昭和21)5月30日、警視庁は、上野露店街(アメ横)に警官500人を出動させ、禁制品を押収しました。

 

繊維製品・たばこなどの禁制品を大々的に売買していることに対して、抜き打ちで強硬手段に訴えたもので、混乱から警察官が発砲する事態も起きました。

 

押収品はトラック15〜6台にも及び、同年8月には全国一斉にこうした取締が行われました。

 

この闇市での価格データが残っているので、以下にまとめてみました。

<闇市場での物価>

品名 数量単位 価格(円.銭) 標準(円.銭) 倍率
白米 1升 70.00 0.53 132
味噌 1貫目 40.00 2.00 20
醤油 2リットル 60.00 1.32 45
砂糖 1貫目 1,000.00 3.79 264
1貫目 40.00 2.00 20
菜種油 1斗 2,000.00 26.80 75
牛肉 100匁 22.00 3.00 7
鶏卵 100匁 21.00 1.82 12
生サバ 100匁 20.00 0.34 59
煮干し 100匁 23.00 1.13 20
さつまいも 1貫目 50.00 1.20 42
大根 1貫目 3.00 0.06 50
ごぼう 1貫目 10.00 1.70 6
りんご 100匁 13.00 0.36 36
煎茶 100匁 20.00 3.30 6
ふかしいも 100匁 10.00 0.08 125
水飴 1貫目 10.00 3.40 3
清酒2級 1升 350.00 8.00 44
ビール 大瓶1本 20.00 2.85 7

 

(神田文人著「昭和の歴史8」から引用した警視庁経済第3課、1945年10月調査データ。)

 

 

こうした、闇市は都市の庶民生活には不可欠なものでしたが、その後の経済復興とともに消滅しました。

 

2.他の年、この日の記事

他の年には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。

今日はここまでです。

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