4月29日 <極東国際軍事裁判でA級戦犯28名が起訴(1946年=昭和21)>

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1946年(昭和21年)のこの日、昭和天皇の御誕生日に極東国際軍事裁判でA級戦犯28名が起訴されました。

これは時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。

これは2分程度で読める記事です。
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1.解説

 

A級戦犯という言葉はご存知でしょうか。同様にB級、C級もあります。

 

これは、犯した犯罪の重大さを勘案してA・B・Cと付けたわけではなく、ちゃんと根拠があります。

 

戦犯とは、 第二次世界大戦の連合国によるポツダム宣言6条に基づき、極東国際軍事裁判所条例第5条(イ)項により定義された戦争犯罪に関し、極東国際軍事裁判(東京裁判とも言います)により有罪判決を受けた者を指します。

 

この極東国際軍事裁判所条例の第5条「人並ニ犯罪ニ関スル管轄」では次の様な規定があります。

本裁判所ハ、平和ニ対スル罪ヲ包含セル犯罪ニ付個人トシテ又ハ団体員トシテ訴追セラレタル極東戦争犯罪人ヲ審理シ処罰スルノ権限ヲ有ス。

(イ)平和ニ対スル罪
即チ、宣戦ヲ布告セル又ハ布告セザル侵略戦争、若ハ国際法、条約、協定又ハ誓約ニ違反セル戦争ノ計画、準備、開始、又ハ遂行、若ハ右諸行為ノ何レカヲ達成スル為メノ共通ノ計画又ハ共同謀議ヘノ参加。
(ロ)通例ノ戦争犯罪
即チ、戦争ノ法規又ハ慣例ノ違反。
(ハ)人道ニ対スル罪
即チ、戦前又ハ戦時中為サレタル殺人、殲滅、奴隷的虐使、追放、其ノ他ノ非人道的行為、若ハ犯行地ノ国内法違反タルト否トヲ問ハズ、本裁判所ノ管轄ニ属スル犯罪ノ遂行トシテ又ハ之ニ関連シテ為サレタル政治的又ハ人種的理由ニ基ク迫害行為。

上記犯罪ノ何レカヲ犯サントスル共通ノ計画又ハ共同謀議ノ立案又ハ実行ニ参加セル指導者、組織者、教唆者及ビ共犯者ハ、斯カル計画ノ遂行上為サレタル一切ノ行為ニ付、其ノ何人ニ依リテ為サレタルトヲ問ハズ、責任ヲ有ス。

 

と、いう3つの罪が記載されましたが、英語原文でこれらがabcとアルファベット順になっているため、項目aの平和に対する罪で訴追された者を「A級戦犯」と呼ぶのです。

 

項目b、項目cで起訴されたものをそれぞれB級戦犯、C級戦犯と呼びますがが、そのほとんどがB級戦犯(通例の戦争犯罪)でした。

 

1946年(昭和21)4月29にA級戦犯として起訴されたのは以下の28名です。

 

  • 板垣征四郎(関東軍)
  • 梅津美治郎(関東軍)
  • 南次郎(関東軍)
  • 土肥原賢二(特務機関)
  • 荒木貞夫(陸軍中央)
  • 木村兵太郎(陸軍中央)
  • 佐藤賢了(陸軍中央)
  • 橋本欣五郎(陸軍中央)
  • 畑俊六(陸軍中央)
  • 松井石根(陸軍中央)
  • 武藤章(陸軍中央)
  • 岡敬純(海軍中央)
  • 嶋田繁太郎(海軍中央)
  • 永野修身(海軍中央)
  • 小磯国昭(陸軍・総理大臣)
  • 東條英機(陸軍・総理大臣)
  • 広田弘毅(閣僚・外交官・総理大臣)
  • 平沼騏一郎(閣僚・司法官僚・総理大臣)
  • 賀屋興宣(大蔵大臣)
  • 木戸幸一(内大臣)
  • 重光葵(外務大臣)
  • 東郷茂徳(外務大臣)
  • 松岡洋右(外務大臣)
  • 大島浩(外交官・駐独大使)
  • 白鳥敏夫(外交官・駐伊大使)
  • 鈴木貞一(企画院総裁)
  • 星野直樹(企画院総裁)
  • 大川周明(思想家)

起訴されたのは、この28名ですが、大川周明は持病の梅毒によって精神障害が認められたこともあり訴追免除となりました。また、永野修身と松岡洋右は判決前に病死したので、1948年11月12日に被告として判決を受けた者は25名でした。

 

昭和天皇を戦犯として訴追することを要求する意見もありましたが、最終的には免責されました。

 

また、上記の28名のうち、板垣征四郎・土肥原賢二・木村兵太郎・松井石根・武藤章・東條英機・広田弘毅の7名は極刑に処せられました。その他は16名が終身刑、2名が有期禁錮でした。

 

 

ここで、安倍総理が国会で「詳(つまびらか)らかに読んだことがない…」と答弁した、あのポツダム宣言を見ておきましょう。

「日本の降伏のための定義および規約
1945年7月26日、ポツダムにおける宣言(現代語訳です)」

  1. 我々合衆国大統領、中華民国政府主席、及び英国総理大臣は、我々の数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し戦争を終結する機会を与えることで一致した。
  2. 3ヶ国の軍隊は増強を受け、日本に最後の打撃を加える用意を既に整えた。この軍事力は、日本国の抵抗が止まるまで、同国に対する戦争を遂行する一切の連合国の決意により支持され且つ鼓舞される。
  3. 世界の自由な人民に支持されたこの軍事力行使は、ナチス・ドイツに対して適用された場合にドイツとドイツ軍に完全に破壊をもたらしたことが示すように、日本と日本軍が完全に壊滅することを意味する。
  4. 日本が、無分別な打算により自国を滅亡の淵に追い詰めた軍国主義者の指導を引き続き受けるか、それとも理性の道を歩むかを選ぶべき時が到来したのだ。
  5. 我々の条件は以下の条文で示すとおりであり、これについては譲歩せず、我々がここから外れることも又ない。執行の遅れは認めない。
  6. 日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである。
  7. 第6条の新秩序が確立され、戦争能力が失われたことが確認される時までは、我々の指示する基本的目的の達成を確保するため、日本国領域内の諸地点は占領されるべきものとする。
  8. カイロ宣言の条項は履行されるべきであり、又日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに我々の決定する諸小島に限られなければならない。
  9. 日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る機会を与えられる。
  10. 我々の意志は日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではないが、日本における捕虜虐待を含む一切の戦争犯罪人は処罰されるべきである。日本政府は日本国国民における民主主義的傾向の復活を強化し、これを妨げるあらゆる障碍は排除するべきであり、言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されるべきである。
  11. 日本は経済復興し、課された賠償の義務を履行するための生産手段、戦争と再軍備に関わらないものが保有出来る。また将来的には国際貿易に復帰が許可される。
  12. 日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める。この項目並びにすでに記載した条件が達成された場合に占領軍は撤退するべきである。
  13. 我々は日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動について日本政府が十分に保障することを求める。これ以外の選択肢は迅速且つ完全なる壊滅があるのみである。

 

2.他の年、この日の記事

他の年には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。

今日はここまでです。

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