3月25日 <島崎藤村、「破戒」を自費出版(1906年=明治39)>

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1906年(明治39)のこの日、島崎藤村は長編小説の「破戒」を緑陰叢書の第1編として自費出版しました。

これは時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。

これは2分程度で読める記事です。
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1.解説

 

この「破戒」という小説はお読みになられたことはお有りでしょうか?

簡単なあらすじをご紹介申し上げますね。

 

「被差別部落出身の小学校教諭の瀬川丑松は、世に出るにあたり、父から与えられた戒め「素性を隠せ」を守っていました。しかし、近代人の自由な生き方に目覚めるなかで、社会的偏見と闘う被差別部落出身の思想家で解放運動家の猪子蓮太郎を知り、共感を覚えるのでした。迫りくる社会的迫害と屈辱とのなかで、丑松は自己の矛盾に苦しみながら、ついに生い立ちを周囲に告白し、新しい人生を求めて米国へと旅立って行く…」

 

とまぁ、こんな内容なんですよ。文学史的に申せば、近代小説成立期を画する作品の一つで、自然主義文学の初期の代表作である…とされています。

島崎藤村によって書かれたこの小説が最初に世に出たのは、1906年(明治39)のこの日だったのですが、何と自費出版だったのです。その後、1913年(大正2)4月、新潮社が当時のお金で2,000円という高額で買い取りました。

この1913年の2,000円を、現在の貨幣価値に直すと、概ね1,000倍強なので、200万円なんですねぇ。

 

作品の取り扱っているテーマが非常にデリケートな問題であったこともあり、出版後、水平社から作者の部落問題理解に対する抗議があり、藤村はその後表現の一部を改訂しました。

ただ、現在我々が入手する「破戒」は初版本が底本になっています(新潮文庫版「破戒」は、1971年(昭和46)の第59刷から初版本を底本に変更しています)。

 

2.他の年、この日の記事

他の年のこの日には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。

 

今日はここまでです。

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