2月5日 <尾崎行雄が、政府弾劾の演説を行いました(1913年=大正2)>

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1913年(大正2)のこの日、尾崎行雄が桂内閣の弾劾を求める演説を行いました。

これは大正時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。

これは2分程度で読める記事です。
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1.解説

 

日露戦争後、東アジアの強国としての地位を確保した日本は、1907年(明治40)の帝国国防方針により、陸軍は17個師団→25個師団へ、海軍は戦艦・装甲巡洋艦各8隻の建造を中心とする八・八艦隊を実現するという軍備拡張の長期目標を策定しました。

 

しかし、財政状況が苦しく、この軍備拡張はなかなか計画通りには進まなかったのです。

 

陸軍は増師が進まないことに強い不満を抱いていましたが、1911年(明治44)に、中国で辛亥革命(しんがいかくめい)が起こるとこれに刺激され、日本が併合した朝鮮に駐屯させる2個師団の増設を第2次西園寺内閣に要求しました。

 

しかし、その頃の日本の財政状況は更に悪化し、実業界・言論界や政党かあらは軍拡の財源にあてるための国債の発行や増税に反対する声が強く、行財政改革を求める気運が高まっていました。その世論を背景に1912年(大正元)、立憲政友会の西園寺内閣は、財政難を理由に2個師団の増設を突っぱねました。

 

これに抗議した陸軍大臣上原勇作(うえはらゆうさく)は、単独で天皇に辞表を提出し、結果として西園寺内閣は総辞職に追い込まれてしまいました。

 

そして、同年12月、それまで内大臣であった桂太郎が陸軍や藩閥・官僚勢力を後ろ盾にして組閣しました。桂は組閣にあたって天皇の権威にたより、再三詔勅を出して反対派を抑えようとしました。同年の7月29日に崩御され、新しく大正天皇の御代になったばかりの時でもあったので、国民の間には新しい政治への期待が盛り上がっていたこともあり、陸軍や藩閥の横暴を非難する声が強まっていきました。

 

こうしたなかで開かれたのが 第30回帝国議会です。1912(大正元)年12月24日のことでした。クリスマスイブですねぇ。

 

翌1913年(のこの日、立憲政友会と立憲国民党とは、桂内閣弾劾決議案を提出しました。 説明に立った、立憲政友会の尾崎行雄は内閣弾劾の主旨で、

 

「桂内閣は依然として藩閥政治を行い、金権政治が甚だしい」

 

と述べています。そして、の演説の中で以下のように大臣席に居た桂太郎の方に指を差し向けながら叫んだそうです。

「常ニ玉座ノ陰ニ隠レテ政敵ヲ狙撃スルガ如キ挙動ヲ執ツテ居ルノデアル。彼等ハ玉座ヲ以テ胸壁トナシ詔勅ヲ以テ弾丸ニ代ヘテ政敵ヲ倒サントスルモノデハナイカ。」

 

またWikipediaにも、尾崎行雄のこの発言に関する記事があります。

「彼等は常に口を開けば、直ちに忠愛を唱へ、恰も忠君愛国は自分の一手専売の如く唱へてありまするが、其為すところを見れば、常に玉座の蔭に隠れて政敵を狙撃するが如き挙動を執って居るのである。彼等は玉座を以て胸壁となし、詔勅を以て弾丸に代へて政敵を倒さんとするものではないか」

(Wikipedia「護憲運動」より引用)

 

この日、帝国議会議事堂の周りを、数万の国民が包囲していました。「閥族打破(ばつぞくだは)、憲政擁護(けんせいようご)」のスローガンの元に結集した人々でした。

 

日露戦争後の増税路線に無名の人たちの怒りが爆発したのです。

 

ところがですよ…、内閣総理大臣の桂太郎もしたたかです。

 

先ず、立憲政友会総裁の西園寺公望を懐柔しようとしますが、これは不発。 次いで、天皇への直訴により、大正天皇から 「この事態はこのましくない」 とのご意向を示す詔勅まで出させたのです。 このような桂太郎の態度に、国民はブチ切れ、一部の暴徒が警察署や政府系の新聞社を焼き討ちにする等の騒動が起きてしまいました。

 

そして、この桂内閣は同年2月20日総辞職しました。わずか62日の短命内閣でした。この在任期間は、東久邇宮内閣の54日間の記録に次いで史上第2位の短命内閣です。

 

これは第一次憲政擁護運動における大正政変と呼ばれる出来事です。

 

やるなぁ!

大正人!

平成人も見習わにゃ!

 

2.他の年、この日の記事

他の年のこの日には、こんな記事を書いていました。こちらも併せて御覧下さい。

 

今日はここまでです。
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