12月3日 <島原の乱、一揆勢が原城に籠城(1637年=寛永14)>

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1637年(寛永14)のこの日、一揆を起こして島原藩の本城島原城と、天草の唐津藩出城富岡城を囲んでいた農民たちは、討伐軍の来襲に備え、肥前国高来郡原にある古城跡に立てこもりました。

これは江戸時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。

これは2分程度で読める記事です。
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1.解説

 

江戸時代の初期、1637年(寛永14)から翌年にかけて、肥前国島原と肥後国天草との領民が連帯して大規模なキリシタン農民の一揆を起こしました。これが世にいう島原の乱です。この乱は、飢饉が続いているにも関わらず、島原領主松倉重政(まつくらしげまさ)父子や、天草領主寺沢広高(てらさわひろたか)が領民に過酷な年貢を課したり、キリスト教徒を弾圧したことに対する抵抗という性格を持った一揆でした。

 

この過酷な年貢、というのは本当に酷かったのですよ。その一端をご紹介しましょう。

 

島原・天草両地方はともに十分な耕地はなく、古くから漁業・対外貿易・出稼ぎなど、東シナ海からの収入への依存度が高い傾向にあり、島原藩の表高は4万石でした。ところが1616年(元和2)に新たに領主として移封してきた松倉重政は、前領主の日野江城・原城をともに廃し、七年の歳月を費やして分不相応といわれた島原城を築き、さらに1630年(寛永7)には税率を64%とし、計10万石の草高として領民に課税し、幕府に対しても10万石の軍役を負担したのでした。とにかく、無茶苦茶な重税だったみたいです。

1631年(寛永8)には松倉重政の子の勝家が家督を継ぎましたが、幕府の鎖国政策により、重要な副収入でもあった対外貿易を絶たれ、また1635年(寛永12)からは凶作が続いていました。当時日本に居たポルトガル人のドアルテ・コレアや、オランダ平戸商館長クーケバッケルの報告記録では、「あらゆる生産物や生活手段に課税し、未納の際の取立ての厳しさは言語に絶し、このための一揆であった」という記述があるそうです。

 

また、この地方は、旧領主の有馬晴信の時代には日本カトリ ックの一大中心地でした。そうした背景は、年貢の減免のような一般的な要求でさえも信仰による抵抗と見なされ、キリシタン取締りを口実に弾圧が正当化されるという特殊な条件を発生させていました。

 

そして、農民たちの不満は、遂に爆発するのです。この地方の農民は、実は…普通の農民ではありませんでした。旧領主の子、有馬直純が日向国延岡へ転封した際に主君に付いて行かずに帰農した武士が多かったのです。

1637年(寛永14)10月25日頃、島原南部の有馬地方で農民が代官を殺害して一斉に蜂起したのです。そのトリガーは、10日ほど前から活発化していたキリシタン取締り・苛烈な年貢未納の取立てとも言われています。一揆の勢力は次々に寺社を襲い焼き払いました。同月27日には、城下に放火して島原城を襲い、一揆は島原藩全域に拡大しました。同月27日には天草でも小西行長の遺臣益田好次(ますだよしつぐ)の子で16歳の益田四郎(天草四郎時貞)の出身地大矢野島を中心に蜂起し、応援の島原勢と合流した農民3〜4,000人が天草全域を一揆に巻き込みながら天草の唐津藩出城の富岡城を攻撃しました。

 

しかし、両城の攻略がすすまないため、討伐軍の来襲に備えて島原・天草の一揆勢が一旦撤退したのち合流して、1637年(寛永14)のこの日、旧領主が築いた原城に立てこもったのでした。この撤退・合流の際には一揆勢から抜けて藩側につく農民も少なくなかったそうですが、城にこもった人数は27,754人であった、という記録が「稿本原城耶蘇乱記」に残っています。

 

こののち、1638年(寛永15)2月末まで籠城は続き、悲劇的な結末を迎えるのですが、その話はまた別項と致しましょう。

 

この島原の乱を理由に、幕府は1639年(寛永16)にはポルトガル貿易を断絶し、1641年(寛永18)には平戸にあったオランダ商館を長崎の出島に移し、鎖国を完成させていくのです。

 

2.他の年、この日の記事

他の年には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。

今日はここまでです。

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