3月30日 <将軍吉宗、子・午年の6年ごとの人口調査を命令(1723年=亨保8)>

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1723年(亨保8)のこの日、江戸幕府第8代将軍徳川吉宗は、6年ごと(子・午年)に人別改を行う事を命じました。これが俗にいう「子午の人口調査」で、江戸時代の人口統計の基礎史料となっています。

これは江戸時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。

これは2分程度で読める記事です。
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1.解説

 

戦国期〜江戸時代、領主が領内の戸口および領民の実態などの掌握と夫役(ぶやく)徴発のために村落・町単位で行った戸口調査のことを人別改といいます。これにもとづいて家数人馬書上帳(いえかずじんばかきあげちょう)が作成されました。この戸口調査簿は家数人数帳・人数帳・人別改帳・人別帳・人畜改帳・家並帳等々とも呼ばれます。

 

このような調査は、全国制覇をとげた豊臣秀吉も、1592年(文禄元)関白秀次の名で全国の大名に家数・人数の一斉調査を命じています。そして、兵農分離の確立した江戸時代には、領内統治の必要からより進展し、幕府代官所や諸藩は村・町ごとに家数・人数・性別・年齢などを調査しましたた。また1671年(寛文11)以降は幕府の命により人別改と宗門改とが結びつき、原則として毎年、全国的に実施されるようになりました。

 

江戸幕府は1644年(寛永21)に、全天領の家数人馬書上帳を代官所ごとに作成、それを勘定所に差し出すことを命じています。その時の史料を見ると、表題(帳簿名)・内容ともに差異がありますが、共通していることは単なる人数改めてはなく、人改めのほかに、各百姓の持高・家屋(農民の居住条件)をもあわせ改めているということです。それは以下の様な項目です。

  1. 百姓名
  2. 所持田畑の広さ
  3. 屋敷面積
  4. 家屋、それも種類ごとの明細(たとえば本屋・雪隠・蔵屋・そえ屋等々)、その大きさ形状、屋根の種類(板屋・茅ぶき・藁屋根等々)、さらに家の柱が掘建方式か礎石方式か等々
  5. 屋敷内の立木の数および大きさ
  6. 所持牛馬の数、等々

つまり近世封建社会の基礎農民としての総合的な具備条件を調査することが、この調査の目的であったといえます。 家数人馬書上帳が検地帳と並んて、貢租・諸役賦課、さらには戦時における軍夫役の動員のための封建領主の最も基本的な台帳てあったのです。

 

1721年(享保6)江戸幕府第8代将軍徳川吉宗は全国にわたって人口調査を命じますが、この調査は、全く新たに人口調査をするのではなく、既存の帳面をもとにして計算せよと指示しています。

 

そして、1723年(亨保8)3月30日、以降6年ごと(子・午年)に人別改を行う事を命じました。

 

1726年(亨保11)には第1回が実施され、幕末まで定期的に行われました。1721年の調査では人口のほかに、田畑町歩をもあわせ調査していますが、1726年(亨保11)にはこれを除いて人口のみとしています。

 

ちなみに1721年(亨保6)の総人口は2,606万人でしたが、実はこの数字には武士・公家などが除外されており、実際はこの数字に対し300〜500万人が追加されたのが、当時の日本の総人口であったと考えられています。

 

2.戦国時代より前は領民の実態把握のための戸口調査は行われていなかったか?

 

わが国古代の律令社会では、人民の詳細な戸口調査を行い、戸籍簿をつくっていました。それは班田収授法による人民支配および収奪体制が戸口調査を必要とするシステムであり、またそれを実施しうる強力な中央権力が存在したからであったこそ出来たことでした。

 

ところが律令制がくずれ荘園制がすすむとともに、戸籍簿は姿を消し、以後鎌倉・室町時代と戸籍簿が見られない時代がつづきます。それは当時の支配の仕組が人民の戸籍簿を必要としなかったためであろう、と考えられています。

 

その後、わが国の歴史に再び戸籍簿が姿をあらわすのは、戦国時代に領国大名が成立してからでした。支配領域が一段と拡大され、しかも戦に明け暮れる戦国大名たちは、どうしても領内の統一的把握を早急に達成し、そのすべてを戦力化する必要があったからです。

 

2.他の年、この日の記事

他の年のこの日には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。

 

今日はここまでです。

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