4月21日 <造船疑獄で犬養法相、指揮権を発動(1954年=昭和29)>

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1954年(昭和29)のこの日、造船疑獄で犬養健法務大臣は指揮権を発動し、検察の汚職捜査の実質的妨害を図り、もみ消しを行いました。

これは昭和時代の出来事です。少し詳しく覗いてみましょう。

これは2分程度で読める記事です。
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1.解説

 

造船疑獄事件は、第9次計画造船にからむ贈収賄容疑事件です。

1953年(昭和28)度計画造船に関して運輸省の行う船主選考、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法をめぐり、造船業界から政。官界へ贈賄がなされたのです。

計画造船は、今では余り聞き慣れない言葉ですね。

計画造船(けいかくぞうせん)とは、第二次世界大戦後の日本に於いて、海運業の再建をめざした造船促進政策です。政府が毎年一定量の建造量を定め、多額の利子補給と長期低利の財政投融資資金を船主に供与しました。1947年(昭和22)の第1次から、1987年(昭和62)の第43次計画まで実施され、この間に建造された外航船舶は4,238万総トンにおよび、日本造船業の復興・発展に大いに寄与しました。

 

その贈収賄に対し、1954年(昭和29)1月東京地検が捜査を開始し、造船工業会会長丹羽周夫(にわかねお)・副会長土光敏夫(どこうとしお)ら幹部多数70名余りが検挙されました。政界では自由党幹事長佐藤栄作が造船工業会・船主協会などから2,500万円、同党政調会長池田勇人も飯野海運社長から200万円を収賄したとして取調を受けました。

 

同年4月20日、検察庁は佐藤栄作を収賄容疑により逮捕する方針を決定したのですが、翌4月21日、犬養健法務大臣は重要法案(防衛庁設置法と自衛隊法)の審議中を理由に検察庁法第14条による指揮権を発動し、佐藤藤佐検事総長に

 

「暫時逮捕状請求を延期し、任意捜査を継続せよ…」

 

と逮捕中止と任意捜査を指示したのでした。その後、犬養法相に大臣を辞任しましたが、この指揮権の発動により汚職捜査は妨害され、造船疑獄の大半はもみ消されたのでした。

 

2.他の年、この日の記事

他の年には、こんな記事を書いています。こちらも併せて御覧下さい。(記事が先の日付の場合は表示されません。当日にならないと公開しないように予約投稿しているためです)。

 

今日はここまでです。

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